看護専門学校について知ろう──志望校選びのヒント(高校生向け・進路情報)

この記事では、看護専門学校がどのような学校なのかを皆さんにご説明していきます。看護師を目指す皆さんの参考になれば幸いです。

目次

  1. 看護専門学校とは? 4年制大学との違いについて
  2. 受験に必要な科目は?
  3. 看護専門学校のカリキュラム
  4. 卒業後の進路
  5. まとめ

1. 看護専門学校とは? 4年制大学との違いについて

看護専門学校とは、厚生労働省が管轄する看護師養成や看護教育を行う学校です。4年制の看護大学との違いを紹介しながら、どのような特徴があるかをご説明します。

  • 卒業までの年数は3年

看護専門学校は、一般的に全日制で修業年限が3年となります。一日中みっちりと授業や実習が入っていることが多く、時間割に余裕のある大学生とは違って多忙な学生生活を送ることになります。ただし例外として、すでに准看護師資格を有する者が看護師(正看護師)になるための2年コースや、首都医校の高度看護学科などのように4年のコースもあります。

  • 学費は私立大学よりは安い

大まかにいえば、学費総額の小さい順に、国公立大学<看護専門学校<私立大学となります。看護専門学校の学費の総額は100~300万円程度が目安です。

  • 入試の難易度は低め

おおむね、看護専門学校は看護大学よりも偏差値が低い傾向にあり、多くの専門学校の偏差値は43~55になるとみてよいでしょう。ただし、東京都立広尾看護専門学校や浜松市立看護専門学校など、偏差値が60近くある専門学校もあります。

  • より実戦的な内容を学ぶ

4年制の看護大学では、研究的な内容も含めて、基礎から応用までの看護学を総合的に学ぶのに対し、専門学校では、実践的な技術と知識の習得に重点を置いています。どちらも国家試験に合格すれば看護師の資格を得られますが、4年制大学を卒業した場合は、専門学校卒業生よりも専門的な知識を持っているため、総合病院や大学病院への就職が有利となることがあります。また4年制の看護大学では、卒業後は大学院への進学や、保健師や助産師を目指すなどの選択肢もありますが、看護専門学校の卒業生の多くは病院などの医療機関に就職します。

2. 受験に必要な科目は?

看護専門学校では通常、次の中から1~3科目が課されます。

  • 国語総合(古文・漢文を除く)
  • コミュニケーション英語I・II(リスニングは除く)
  • 数学または理科より1科目選択

コミュニケーション英語I・IIでは、長文読解が中心となるため、英単語の学習などの基礎をしっかりと準備することが必要になります。数学または理科の選択においては、数学Ⅰと生物基礎が選択肢として挙げられている場合が多いです。また、数学では「場合の数と確率」、生物では「発生」など、単元が限定されることもあるでしょう。さらに、多くの看護専門学校では、科目試験に加えて面接試験や作文などの試験がある場合もあります。

志望学校の入試科目は、公式サイトでしっかりと確認しておきましょう。

3. 看護専門学校のカリキュラム

看護専門学校は、看護師国家試験に合格するために必要な知識や技術を習得することを目的としています。通常、看護専門学校で学ぶ内容は大きく3つに分けられます。

  • 基礎科目

科学的思考の基盤となる科目で、生物学、論理学、倫理学、栄養学などがあります。英語や社会学などの一般教養科目が含まれることもあります。

  • 基礎専門科目

人体の構造・機能と疾病の成り立ちや、看護・チーム医療に必要な観察力・判断力などの基礎となる能力を学びます。解剖生理学、臨床治療論、公衆衛生、社会福祉などがあります。

  • 専門科目

基礎科目・専門基礎科目を土台として、看護を実践するための専門的な能力を身に付けます。基礎看護学、成人看護学、精神看護学、臨地実習などがあります。

これらの科目を基本として、最初の1年間で基礎をしっかりと学び、2年目には専門的な知識と技術を深めて実習を重ねていきます。最後の1年間は、それまでの学びを活かしながら、国家資格の取得に向けての学習に移ります。

4. 看護専門学校のカリキュラム

看護専門学校を卒業した後は、一般的に看護師として病院で働くことが多いです。特に、昭和大学医学部附属看護専門学校など医療施設に付属する学校においては、多くの卒業生が付属先に就職しています。

しかし病院以外にも、企業(産業看護師)、保育園や幼稚園、医療機器メーカー、献血ルーム、介護施設などへ就職する道もあります。また、4年制の看護大学へ編入するケースもみられます。

5. まとめ

看護専門学校は3年で卒業でき、4年制の大学と比較して1年早く現場に入ることができます。学ぶ内容もより実践的なものとなり、一般的に入試の難易度も大学と比べて低く、費用も安い傾向にあるなどのメリットがあります。一方で、学生生活が多忙になる、進路が限定される場合があるなどのデメリットもあります。どのような環境で学びたいか、どのような就職を望むのか、今一度ご自身の気持ちとじっくりと向き合い、ご自身に合った進学先を検討してみてください。

Follow me!